戸建てフルリフォームなら「増改築.com®」TOP>施工事例>都道府県で探す>東京都>文京区> K様 築60年混構造のリノベーション事例
東京都文京区のK様からのご依頼は、K様の先々代が60年前に建てられた古家をリノベーションしてK様ご家族が住まわれるご計画があり、現在は敷地内にあるもう一戸の建物に居住中で、本宅のリノベーション後は、敷地内併設の居住中の建物は改装をして賃貸戸建てとしたいとのご要望でした。弊社にご相談があった際にすでに他社様からの大まかなプランが出来ておられる状態でした。他社での問題点をお聞きすると、築60年の格天井(ごうてんじょう)を残して、耐震補強耐震フルリノベーションを考えているが、どうしても、構造評点(Iw値)が1.2程度までしかいかないので、1.5以上の設計はできないかとのお問い合わせでした。なた、K様の建物は、木造とRCの混構造となっていたため、木構造部のみを分離して構造設計、施工についても、分離して補強することを前提でIw値1.5(国の耐震推奨基準は1.0)を超える計画を提出させていただきました。
格天井のある建物は、現在の住宅では、まず見ないのですが、社寺仏閣、城などの天井に多く使われいる最も格式の高い天井様式になります。K様の先々代が建てられた建物も敷地内に池があった形跡や立派なお庭もあることから当時、かなりこだわられて建てられたことがわかりました。
建物概要 | |
---|---|
名前 | K様 |
場所 | 東京都文京区 |
築年数 | 築60年 |
構造種別 | 混構造:木造一戸建て(一部RC造) |
家族構成 | 大人2人+子供2人 |
対象面積 | 35.62坪 |
リフォーム部位 | 基礎補強/間取変更/断熱サッシ取替/外壁塗装/セルロースファイバー/耐震等級3/屋上防水/外構 |
工期 | 6ヶ月 |
価格 | 3000万(税別)※外構込・本管工事と敷地内建物の改装費用は別途 |
今回のK様築60年混構造リノベーションでのご要望は以下の6点です。
!Iw値とは?
1981年以前の旧耐震基準で建てられた木造家屋では、2000年の品確法で定められた『耐震等級』という耐震指標保有水平力、耐震等級によって耐震力を測れないため、Iw値という指標で耐震力を測ります。「Iw値=家の保有耐力/耐震のために必要な耐力」によって数値化されます。1.0をクリアすることで震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性が低いとされており、国の耐震改修の最低基準値となっている指標であります。
K様は大手ハウスメーカーさんと、今回のリフォームについてかなりお話が進んでいたのでK様のご要望は直ぐ図面に落とす事ができました。既存建物はK様のご両親がお住まいになられてた家で、とても趣があり素敵な造りだったのですが耐震や断熱に関してはやはり築年数が経っているのでこのまま住むには不安があり、今のライフスタイルからも間取りも多少変えてのフルリフォームをさせて頂きました。1階のLDKの天井の格天井は残し、その他は全て解体をさせて頂きました。一階の一部がRC造となっており、構造計算上は、木造部とRC造部を分離して構造計算し、木造部分での構造評点を基準の1.5倍以上にする補強計画を立てました。屋根は瓦屋根をそのまま使用したいとのご意向があり、重い屋根として構造計算をさせていただき計画を致しました。
●外観のイメージは既存を活かし、サッシ開口面積が多いのでリノベーション後は位置を極力変えずに開口を今の標準の大きさに変えます。
●既存玄関の位置はそのままで、サッシ周りは全て断熱サッシへ変更します。1階のLDKの格天井はそのまま残して、新たにプランをさせて頂きました。
●既存和室
K様の建物は既存の和室部分が、RC造での平屋となっており、二階部はベランダとなっています。ここを耐震構造計算からは切り離して計画をたてました。
●既存の間取りでは水回りは1階に全てありましたが、新規プランは2階に浴室・脱衣室を設置します。
●築60年混構造の2階部
年代物の開口部の広い建具等の再利用の話を頂きましたが、耐震改修で構造評点(Iw値)1.5以上の補強計画を立てる必要からスケルトン解体が必要のため、大変残念ですが、諦めていただくことになりました。
間取りの変更プラン
***
K様の築60年混構造の戸建てリノベーションはこうして始まりました。
●解体は手壊し作業になります。K様の耐震補強計画では、基本は内部スケルトン解体となりますが、構造計算上、一階部の多くは外壁までの剥離をして、内部からの補強だけにとどまらず、外部からの補強も必要であるため、まずは、内部をスケルトン状態の躯体残しまで解体後、一階の補強部の外壁を剥離する流れで解体工事は進みました。
●解体と同時に、非破壊段階での構造計算が、そのまま計画として成り立つのか、既存の状態と当てはめ入念に躯体チェックをしていきます。
!大事な構造部のすべてが目視可能となるスケルトンリフォーム
内外部のスケルトンリフォームの最大のメリットはこのような重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。
フルリノベーション後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
構造上のチェックが終わると、フルスケルトンリフォームでは、基礎工事へと移行していきます。
K様の建物は、無筋基礎になることから、抱き合わせ基礎(添え基礎)補強での補強が必要です。
●ポイント
K様邸では、当初はベタ基礎での補強をご要望でしたが、我々が提案したのは、抱き合わせ基礎補強でした。
その理由は、瓦屋根を残して工事をするため、地盤に対してベタ基礎分のコンクリート荷重がかかる理由からでした。
すべてがベタ基礎が良いというわけではありません。
ベタ基礎は建物全体と同程度の荷重となりますので、建物の重さとのバランスもかかわってきます。足元だけ固めていても屋根を含めた建物とのバランスが悪いと大地震が起きた際にせん断力が働き、ホールダウン金物が抜けるような事態になるケースもあるからです。大手を含め多くのリフォーム会社が、基礎補強をしない現実がありますが、無筋基礎の状態の建物に基礎補強をしないのは、フルリフォームやリノベーションではありえないと弊社は考えております。基礎補強なしでいくら耐震といったところで、その計画は絵に描いた餅となるのです。
大規模な戸建てリノベーションをされる際には、木造を熟知し、実績が豊富な会社へ相談することをお勧めする理由でもあります。
●ベタ基礎って?
布基礎が立ち上がりとフーチングで持たせる基礎に対して、ベタ基礎は、立上りだけでなく、底板一面も耐圧盤を設け、立ち上がりと底面が一体化された鉄筋コンクリートになっている基礎をいいます。
建物の荷重を底板全体の面で受け止めるため、ベタ基礎は不同沈下を起こさない。といわれますが、それは良好な地盤での話です。
基礎の下の地盤面の地耐力が均一でない場合は、不同沈下が起こる可能性が充分あるのです。
耐震の世界では、重い瓦屋根は外して、軽いものに変えましょうと言われておりますが、それ自体は間違っていませんが、この理屈でいくと。屋根の瓦を外して、基礎はベタ基礎にしても、地盤に与える荷重は、瓦屋根以上の荷重がベタ基礎の荷重により地盤面にかかることになります。
地盤が軟弱な場合、布基礎を採用した方が有利な場合も出てきます。
戸建てフルリフォームやリノベーションで、基礎補強をする際は、このような知識のある会社に相談することが必要です。
基礎が終わり大工工事へと移行します。構造躯体の強度を担保するためのメイン工事となります。
東京都文京区のK様の戸建てリノベーションでの断熱材は、セルロースファイバーを採用。
グラスウール断熱と比較し、吸音効果と調湿効果を望める素材となり、施工後にその快適性は体感できる断熱材です。
K様の建物は階高が高く充填も大変でしたが、充填後には、中での作業音が外に漏れにくくなり、お施主様もビックリされておりました。
K様は屋根は既存の瓦葺きをそのまま残したいというご意向でしたので、屋根は棟の取り直しでの補修のみの工事となりました。
構造部の構造補強が終わると、造作工事に入ります。
約6カ月の工事を経て、いよいよ竣工です。
K様邸の様子をご紹介します。
== 外観==
== 1F エントランス・玄関 ==
== 1F LDK ==
1階のLDKは、既存の格天井を活かし、キッチンとリビングダイニングで2部屋だった間取りをひとつのLDK空間に。もともと天井高が高いこともあり、開放感がある空間へと生まれ変わりました。
既存建物は昔ながらのキッチン・リビングダイニングと分けられておりました。
== 階段 ==
== 1F 洋室 ==
== 水まわり ==
Before
== 2F 洋室 ==
== 外構 ==
築60年文京区K様のリノベーションでは、敷地内にあるもう一つの戸建ての改装工事がありました。こちらを賃貸としてお貸しすることから、本宅と賃貸部を外構工事で目隠ししたいというご要望がありました。同時に水量が増えることから本管工事の必要もあり外構工事もお手伝いさせていただきました。
弊社にご相談があった際にすでに他社様から構造評点(Iw値)が1.2程度までしかいかないので、1.5以上の設計はできないかとの具体的なスペックのお問い合わせでした。K様の建物は、木造とRCの混構造となっていたため、木構造部のみを分離して構造設計、施工についても、分離して補強することを前提でIw値1.5(国の耐震推奨基準は1.0)を超える計画を提出させていただきました。
難しかったのは、既存の格天井と瓦屋根を残しつつIw値を1.5以上にしなければならないことでしたので、基礎補強工事と内部スケルトンによる内側からの補強に加え、1階部については、外壁の多くを解体する内外部スケルトンリフォームにて外部からも補強を加えることで構造評点1.5以上をクリアすることができた事例となりました。大変お喜びいただきまして施工冥利につきます。
K様、この度はご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
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どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
2025年の建築基準法改正が決定、フルリフォームに確認申請が義務化されること、今年度断熱補助の年内完成締切の駆け込みご依頼により、現在大変混みあっております。
お問い合わせも殺到状態のため、プランのご提案までに日数を頂いております。
首都圏のリノベーションにつきましては、2024年度工事枠は7月中旬解体着工のお施主様まで埋まっております。
・直近は2024年6月下旬の解体着工スタートに1枠が空きありとなります。※2024年4月27日時点
※ご契約順に施工班の予定を組ませて頂いております。スケルトンリフォームには6ヶ月程度の期間が必要になります。余裕をもったスケジュールでご相談をお願い申し上げます。
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